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              Forum     No.2 H16.09.16.

パーソナリティーの成長と危機

【心理・社会的発達段階】   【心理・社会的危機】    【活力】と【病理】  

1.乳児期(0〜1)      信頼性 対 不信      希望   ひきこもり

                                                人間関係の中で受容れられている。

+の部分は大きく、−の部分は小さい

              がある。不信の部分、欲求不満も残し

              ておく必要がある。そこに希望が生ま

れる。完璧な充足は問題。

 

2.幼児前期(1〜2)     自律性 対 疑惑・恥    意思   強迫性

            筋肉発達によるセルフコントロール

            トイレトレーニング。コントロールでき

ないと疑惑感が湧き、お漏らししてしま

うと恥になる。

 

3.幼児後期(2〜6)     自主性 対 罪悪感     目的感  禁止

            遊びを通してあれやこれや実行する

              <手は出すな、眼は離すな>

              子供に任せて、見守ることが必須。したい

              こと、やりたいことをすると、叱られる、

              怒られると、遊べない子供になってしまい

              遊ぶことに罪悪感を覚える。

治療方法 → 遊戯療法

 

4.学童期(6〜12)     勤勉性 対 劣等感     有能感  惰性

            周りから期待されたものができる

            できた時は誉める。失敗した時はフォロー。

              できなくて叱られると劣等感。

多少の劣等感は必要。優越感、よい子に

なろうとする、完璧な自分というのは

よくない。

 

   

 

5.青年期(12〜20)    同一性 対 同一性拡散   忠誠心  拒否

                           本当の自分(アイデンティティ)

とは何かの確認

             本当自分とは何か、これでいいのかと

いうものは一部残っていく。親世代の

関わり、肯定的に認めていくこと。

                              拡散とは自分は何をしたらいいか分か

らない。

  青年期はの年代は、現在では30近くまで延びている。

 

6.成人前期(20〜30)   親密性 対 孤立      愛情  排他性

             異性との関係、性的な関係を含む

             自分のアイデンティティと相手との共有

               融合。尊重しつつ融合する。

               孤立とは、相手を自分の側に引き込もうと

               することにより、対立し孤立していく。

 

7.成人後期(30〜60)   生殖性 対 停滞      世話  拒絶

             次の世代のために何かを残す

             停滞は何も残さない

             メンタリング 共育 指導育成していく

               ことを通してメンター自身が成長する

               世話する力 ケアー 現代に必要なもの

 

8.老年期(60以降)     統合性 対 絶望      叡智  尊大

                           人生のまとめ、意義、生きがい

             老年期になってしっかりと手ごたえをもって

               統合性が感じられる。長い人生を生きて、

               生きる意味が見出される。自らの積み上げに

               よって成就できる。

 

図表 基本的パターンは継続される。それぞれの段階で再浮上する。

1.時間的展望 社会は今後もいい形で展開していく

時間拡散  社会は自分を受容れてくれない。見通しが持てないと刹那主義に陥る

2.自律性   自己確信に導く。おしゃれも大切。老年期では、自分の体がコントロールがきかない自信喪失へつながる。

3.自主性   思春期に過保護 → 結婚、職業選択にも悪影響

        老年期 仕事がなくなると何もしなくなる。

【人生脚本】

 ・5〜6歳までの間に固め、12〜13歳頃には枠を決めている。

  「自分はこう生きて行く」

 ・2つの側面

  文化的脚本               心理的脚本

   @地域社会からの影響          @幼児期における感情体験

   A社会システム             A  〃    出会いと

   B政治形態               「ものごと」への反応体験

   C宗教                 B  〃    親に対す

   D家族の歴史               る感情

                        未処理のまま残っている

                                                            人生脚本

@地域社会からの影響          @幼児期における感情体験

 どの地域で育ったか           出生後数年の間に、喜怒哀楽をどのように体験したか。

   A社会システム             A  〃    出会いと

    男の役割、女の役割、         「ものごと」への反応体験

 親の教育観               いろいろ異なった反応体験を持っている。犬、蛇等。

 

B政治形態               B  〃    親に対す

 資本主義の国で生まれたか、社会主義   る感情 未処理のまま残

の国か等。               っている

   C宗教                 

   D家族の歴史               

                        

    書き直しがきく

基本の多くは親(養育者)からのメッセージで構成されている。非言語と言語を通して。

 

再決断が可能(R.グールディング) 

大事なことは自分が変化することに喜びを感じること

   本当に変えたいというように感じたことからスタートする

 

 

 

 

 

<禁止令・拮抗禁止令は人間を拘束する>

 慢性的な人生の悩みにつながる禁止令

 両親の<子ども>の自我状態からのメッセージで、両親自身が不幸、惨めな感じや状態、不安、失望、怒り、欲求不満、秘密の欲望などを感じていたために子どもに与えるメッセージ。多くは、両親が気付かないまま、非言語的に与えているケースが多い。

 言葉の意味が理解できなくても、幼児は親の感情に極めて敏感であり、声の調子や手荒な扱いなどが醸し出す雰囲気を肌で感じる。

 

 人生に影響を及ぼす11の禁止令

 1.存在するな 

最も致命的

「お前さえいなければ、あんなお父さんと一緒にいない」「お前なんか

生まれてこなければよかった」

    手荒に抱く、食事や入浴の時怖い顔、しかめ面をする。

    ノイローゼや自殺者の生い立ちの過程にある。

 

2.重要であるな 

大人の会話に口をはさむな、無視、馬鹿にされる。

 

 3.子どもであるな・楽しむな

    兄弟姉妹の一番上が受けやすい。弟や妹の面倒を見ろ。

 

 4.大人になるな

                過保護に育てれた人。成人しても依頼心が強くなる。

 

 5.感じるな

                男は喜怒哀楽を表に出すなという躾方 代理感情を操るようになる。

 

 6.考えるな

                女は理屈より愛嬌。あなたは勉強さえしていればいい。

 

 7.成功するな

                完全主義の親に絶えず批判されていると、「お前は何一つ満足にできな

い」と受けとめられ、「成功するな」と解釈されてしまう。

 

 8.おまえ自身であるな

                親が望んでいたのとは違った性に生まれた子どもによく与えられる。

    性同一性障害

 9.健康であるな・正気であるな

       子どもが健康な時はストロークが与えられず、病気になると、子ども

を気遣う。→ 健康であるなというメッセージ

 頭のおかしい行動がほめられたりする → 正気であるな

 統合失調症

 

 10.仲間入りするな・近寄るな

                「あなたはあの子達とは違うんだから、遊んでは駄目」

    「男はみんな狼だ」

    大人になっても組織・集団に溶け込めない孤立型になる。

 

 11.・・・するな

                「危ないから」「まだ小さいから」 

    親自身の持つ不安や罪悪感の裏返し、子どもに対する怒りの反動。

    何をどうしたらいいか分からず、いつも何か指示してくれる人を見つけようとする。

 

このような禁止令を与えている不幸な親達が作っている家庭の中で、身を守る

ため、親の送る禁止令に従おうと決断した子どもの判断は、子どもの保身術と

して必要であった。しかし、後年、彼らの生き方・人生観・性格に著しい不自

由さ不自然さをもたらす。

 「再決断療法」が必要。

 

拮抗禁止令

両親の<親>の自我状態から出されるメッセージのうち指示的なもの

あまりにも厳重に固執すると、人間的成長や柔軟性が損なわれる。

ティビー・ケイラー「五つの駆り立てるもの」

@強くあれ、Aもっと努力せよ、B完全であれ、C急げ、D他人(親)を喜ばせろ − 特に子ども達のその後の生活の影響を与える。