TAについて

<目的> 自律―思考、感情、行動および健康に責任をとることができる

人間を大事にすることを学ぶ

先ず自分を大事にすること → 人を大事にできる → 人類を大事にできる

人間一般を大事にできる

<「自分を知る」ことが再出発の原点>

  自分の中にもともとある潜在能力を引き出し、自分の持つエネルギーをより肯定的な面に注ぐようにするためであり、物事に対して自分らしく自然に反応するようになり、TPOに合致した満足の行く行動をとるようになること

<人間性の本質>

 ・主体性

 ・独自性

 ・創造性

自分自身を知り、自分の自然な好みに気づき、自分が存在しているその時その

時を大事にし、自分が本当にしたいこと発見することにこそ人生の真の価値が

ある。

 

<自分の本当の姿から自分の最良の部分を発見できる>

 人々はさまざまな仮面をかぶり、いろいろな形の鎧を着ている。

 その中に、自分の本当の姿を封じ込んで、他人に対しても、自分自身にさ

えもわからないようにしています。

 自分自身の本当の姿を知ることは、ある種の脅威と欲求不満を招く。

 しかし、その不安あるいは恐怖は、実は自分の最良の部分を発見するかも

知れない

 最悪の部分の発見 → 現在の自分の生活パターンを継続するかを決断す

る機会

  最良の面を知る → それを大事にし、それに従って行動するかを決断す

            る機会

 自分の人生の可能性を高める、自己改善の機会。

 

 TAは実用的で現実的な枠組みを提供し、それにもとづいて自分自身の幼児期の古い決断と行動を再確認し、それを自分が望ましい方向へ自分自身で変えるように再決断することが可能になる。

 

*真の自律人間とは何か

  「本当に自立的人間とは、気付き、自発性、親密さの三つの能力を回復し、

より高め、実際に行動する人」 エリック・バーン

<気付き>

 自分や自分の身の回りに現在起こっている、あるいは起こりつつあることを知っているということ。

  長所・短所とかいった評価ではなく、何を感じているのか、何がしたいのか、自分の可能性、まだ使っていない能力がある。

  最も大事なことは、その人それぞれの素晴らしさに気付き、そこにエネルギーを集中する。

  「いま」という時を認識し、宇宙の一部としての自分を体験し、美しい花

を見たら美しいと感じる。

  自分の体内からのメッセージ ー 緊張しているか、リラックスしているか、開放的か、閉じこもっているかが分かる。

  「いま、ここに」あることに焦点を合わせることができる。

  自分が何処にいるか、何をしているか、それについてどう感じているかをはっきりと知っています。自分が自分らしく生きていくための第一歩。

<自発性>

 柔軟性があり、TPOに合った行動がとれる。あらかじめ選択肢があることを知っており、それを行使し、自分のゴールと状況に適切だと判断した行動がとれる。

  自分自身が意思決定をしない限り、自分のパワーは志向性のないものとなり、自分自身が不明確、不安定になることを知っている。

 「自立的な人」とは、自分自身の潜在能力、可能性に目的を持った方向付けをし、意思決定する人。

<親密さ>

 <自由な子ども>の暖かい感情や心優しさと、他人に対する親密感。

 親密になりたいと思っているがなかなかなれない。

 原因―自分自身をオープンにできない。危険を冒す。

 建前と本音の世界。建前は気楽、本音は勇気がいる。

 現代社会は、本音で語らなくなった社会

→ TAは実現するその道具 

4つの柱 1.自我状態モデル、2.やりとり分析、3.(心理)ゲーム分析

4.人生脚本分析

5つの理論 1.ストローク、2.ディスカウント、3.人生の基本的立場

              4.ラケット。5.時間の構造化

【人生脚本】

 ・5〜6歳までの間に固め、12〜13歳頃には枠を決めている。

  「自分はこう生きて行く」

 ・2つの側面

  文化的脚本               心理的脚本

   @地域社会からの影響          @幼児期における感情体験

   A社会システム             A  〃    出会いと

   B政治形態               「ものごと」への反応体験

   C宗教                 B  〃    親に対す

   D家族の歴史               る感情

                        未処理のまま残っている

                                                            人生脚本

@地域社会からの影響          @幼児期における感情体験

 どの地域で育ったか           出生後数年の間に、喜怒哀楽をどのように体験したか。

   A社会システム             A  〃    出会いと

    男の役割、女の役割、         「ものごと」への反応体験

 親の教育観               いろいろ異なった反応体験を持っている。犬、蛇等。

 

B政治形態               B  〃    親に対す

 資本主義の国で生まれたか、社会主義   る感情未処理のまま残っ

の国か等。                ている

   C宗教                 

   D家族の歴史               

                        

    書き直しがきく

基本の多くは親(養育者)からのメッセージで構成されている。非言語と言語を通して。

 

再決断が可能(R.グールディング) 

大事なことは自分が変化することに喜びを感じること

   本当に変えたいというように感じたことからスタートする

 

 

【人生の基本的スタンスについて】

1.自分はOKである。他人はOKである。

  精神的に健康。自分と他人の存在価値を同じように重要なもとして受容。

  問題、課題に正面から取り組む。建設的、現実的に解決できる。

  存在(実存)にもとづくOK、無条件の受容。

  → ものごとに正面から取り組む、現実的、臨機応変、好き嫌い、賛成反対をすっきり表現でき、実現性の高い目標設定ができる。

 

2.自分はOKでない、他人はOKである。

 他人と必要以上に比較し、自分の無力さを感じる。

 問題、課題に直面することを避ける。抑うつ体験、自殺へつながる。

  勝手に思い込んでいる。

 

3.自分はOKである。他人はOKでない。

  苦労や犠牲を強いられてきたと感じている人。自分が惨めなのは他人のせいと非難する。責任転嫁、他者破壊、ストーカー、変質的行動等。

 

4.自分はOKではない。他人はOKではない。 

  人生や社会に希望や関心を失ってしまった人。何をやってもどうしようもないさという感じ。統合失調症、自殺や殺人につながる。

 

一番目のOKは受容するという意味が含まれている。他のOKは自分の思い込み。人は状況のよってこの4つを巡っている。重要な問題に遭遇した時、自然にとる立場が、その人の一般的傾向の立場。

どの立場が好い悪いではなく、人それぞれ自分に特有な欲求や期待や感情を持っており、満たされた欲求や満たされなかった欲求も含めて、幼い頃の経験が、人生の基本的立場を決定する上で重要な役割を果たす。

 

【ストローク(存在認知)】

存在に対する刺激すべて。 認知飢餓―認められることへの飢え。

 

ストロークの種類

(1)身体的ストローク  乳幼児期 身体的刺激、おんぶ、タッチをする。

(2)非言語的ストローク 頭を下げる、手を振る、ジェスチャー、笑顔

(3)言語的ストローク   有難う、偉いね、挨拶。

 

・肯定的無条件なものストローク 「お父さんは坊やのこと大好きだよ」

  自分の存在に意味があるのだという気分、深いところで、個人の幸福感を高め、知的能力の発揮にもつながる。

・肯定的で条件付きのもの    「大人しくしていて、いい子だね」

・否定的で条件付きのもの    「弱い者いじめをする子は、嫌いだよ」

・否定的で無条件なもの     「出て行け」

 

  条件付きのストロークは躾のためには必要。一貫性があるもの。

 

アル中患者の調査 クロード・スタイナー

1.        受けとらない

2.        与えない

3.        要求しない

4.        拒否しないー無条件否定的

5.        自分に対してストロークしない

 

健康になるためにはこれと反対の事をすればいい。

ストローク くれない症候群 

専門職として、メンタルヘルスのために自分に対してストロークする。

 

【ディスカウント(値引き)

現実の場で、自分や他人や、状況のある側面を軽視したり、過小評価(ある種の過大評価も入る)したりする機能(働き)で、気付かずになされる。

例 「私は生まれつき口下手で・・・」ということを立て板に水のごとく話す。

  自分がいかに消極的かを、積極的に話す。

 

WHY 「私はOKでない」あるいは「他人はOKでない」という人生脚本を維持強化するため。共生関係の維持―乳幼児期は正常、大人では病理的。

 

ジャッキー・シフ()

 1.問題の存在を値引く

   問題のあることさえ全く無視している。?を流してしまう。

 2.問題の重要性を値引く

   問題の存在(何だか変だな)には気付いているが、その重要性を値引く

 3.問題解決の可能性を値引く

   問題の所在とその重要性には気付いているが、解決策は無いと信じている。

 4.個人の能力(集団の能力)

   問題に直面したとき、自分にはできないと決めている。親あるいは上司に頼る。

 

「イヤーな感じが残る」

 

解決策

 自分や他人をどのような形で値引いているかに気付く → 演習P39

 確認する 嫌な感じー5W1H

 おかしいな → 対決する 実態を知る。

 

できないとしないの相違 できないー外部への責任転嫁 自立性を阻止する

 私は〜できない。

  @上司に素直に従うことができない

  A面倒なことはできない

 

 私は〜しない。

  @上司に素直に従わない

  A面倒なことはしない

【構造分析と自我状態】

親と成人と子どもの関係

自我状態 TAの一番基礎となる土台

C

 

A

 

F

 
エリック・バーン 個人がとる心理的立場の色々で現象的に観察可能

     親    親から取り入れた態度、行動様式、認知様式

          価値観、倫理観

     成人   現実に生きる私

 

     子ども    個人の自然に起こってくる全ての衝動と感情

          感じる私

NP

 

CP

 

  A

 

CP(Controlling Parent) 支配的(批判的)

激励、批判、叱責。ワンマンさ、偏見、押付け。

NP(Nurturing Parent)  養育的

面倒を見る、電話をしたり、同情。過保護、お節介。

 

A(Adult)  成人

現実を客観的に評価、外的世界、内的世界からも情報を集め、貯え、活用。コンピューター。

抽象的な思考が使いこなせる1213前後迄発達。

 

AC(Adapted Child)  適応した子ども

人の顔色を見たり、良い子を感じさせる。

LP(Little Professor)  小教授

直感やひらめき、創造性のもと。目が輝く。

FC(Free Child)  自由な子ども

「偉い人」にも縛られず、自発的、自由に自分を表出。生活

力の源。

 

 

 

 


自分の自我状態を見極める

エゴグラム 生命エネルギー恒常仮説 K=(P+A+C)mm

 

                                                                                       平均

 


 CP  NP  A  NC  AC                             エネルギーをどのように使

っているか

汚染と疎外 偏見・妄想の類が生じる→資料

二次的構造分析

 

 

【自分の行動を知るための「やりとり分析」】

   構造分析によって明確化された自我状態を理解することによって日常生

活の中で取り交わされる言葉、態度、行動などを分析する。

      

 対人関係において自分が他人に対してどのような対処の仕方をしている

か、また、他人は自分に対しどのような関わり方をしているかを知ること。

 


 自分自身の自我状態のあり方(行動様式、コミュニケーション様式、リ

ーダーシップの取り方、意思決定様式など)について自覚を深め、状況に

応じた適切な行動がとれるようになる。

 

<自我状態のやりとりが会話をつくる>

 ・相補的やりとり

 

 ・交差的やりとり

 

 ・裏面的やりとり

 

【心理ゲーム】

 隠された秘密のメッセージ

 「人々が演ずる心理ゲームを一言で表現すれば、かくされたやりとり(裏面型やりとり)の連続で決まりきった報酬を得ること」

           「イヤーな感じ」(後味の悪さ)

 

 ロバート・グールディング

@    表面上は<成人>対<成人>のやりとり

A    隠された秘密のメッセージがある。

B    その秘密のメッセージへの反応

C    「イヤーな感じ」という報酬

D    <成人>の自我状態が気付かないところで行われる。

 

 くるくる立場が変わる心理ゲーム

 迫害者(P)・救助者(R)・犠牲者(V

 

【代理感情(ラケット)の複雑さ】

 ある文化のものとで育った子供 男らしさー悲しみは弱さの現れ、怒ることは当然、人前では笑顔etc.

 ほめられる − よい子だというストロークが得られる。

現実は、自分の本当の感情ではなく、代理感情と呼ばれる。一度代理感情を使うと際限なく使うようになる。→ 神経症、精神病

 

<心理ゲームや代理感情との対決>

本当の欲求や感情に気付くように、それを効果的な方法で表現するように手を貸す。

 

<禁止令・拮抗禁止令は人間を拘束する>

 慢性的な人生の悩みにつながる禁止令

 両親の<子ども>の自我状態からのメッセージで、両親自身が不幸、惨めな感じや状態、不安、失望、怒り、欲求不満、秘密の欲望などを感じていたために子どもに与えるメッセージ。多くは、両親が気付かないまま、非言語的に与えているケースが多い。

 言葉の意味が理解できなくても、幼児は親の感情に極めて敏感であり、声の調子や手荒な扱いなどが醸し出す雰囲気を肌で感じる。

 

 人生に影響を及ぼす11の禁止令

 1.存在するな 

最も致命的

「お前さえいなければ、あんなお父さんと一緒にいない」「お前なんか

生まれてこなければよかった」

    手荒に抱く、食事や入浴の時怖い顔、しかめ面をする。

    ノイローゼや自殺者の生い立ちの過程にある。

 

2.重要であるな 

大人の会話に口をはさむな、無視、馬鹿にされる。

 

 3.子どもであるな・楽しむな

    兄弟姉妹の一番上が受けやすい。弟や妹の面倒を見ろ。

 

 4.大人になるな

                過保護に育てれた人。成人しても依頼心が強くなる。

 

 5.感じるな

                男は喜怒哀楽を表に出すなという躾方 代理感情を操るようになる。

 

 6.考えるな

                女は理屈より愛嬌。あなたは勉強さえしていればいい。

 

 7.成功するな

                完全主義の親に絶えず批判されていると、「お前は何一つ満足にできな

い」と受けとめられ、「成功するな」と解釈されてしまう。

 

 8.おまえ自身であるな

                親が望んでいたのとは違った性に生まれた子どもによく与えられる。

    性同一性障害

 

 9.健康であるな・正気であるな

       子どもが健康な時はストロークが与えられず、病気になると、子ども

を気遣う。→ 健康であるなというメッセージ

 頭のおかしい行動がほめられたりする → 正気であるな

 統合失調症

 

 10.仲間入りするな・近寄るな

                「あなたはあの子達とは違うんだから、遊んでは駄目」

    「男はみんな狼だ」

    大人になっても組織・集団に溶け込めない孤立型になる。

 

 11.・・・するな

                「危ないから」「まだ小さいから」 

    親自身の持つ不安や罪悪感の裏返し、子どもに対する怒りの反動。

    何をどうしたらいいか分からず、いつも何か指示してくれる人を見つけようとする。

 

このような禁止令を与えている不幸な親達が作っている家庭の中で、身を守る

ため、親の送る禁止令に従おうと決断した子どもの判断は、子どもの保身術と

して必要であった。しかし、後年、彼らの生き方・人生観・性格に著しい不自

由さ不自然さをもたらす。

 「再決断療法」が必要。

 

拮抗禁止令

両親の<親>の自我状態から出されるメッセージのうち指示的なもの

あまりにも厳重に固執すると、人間的成長や柔軟性が損なわれる。

ティビー・ケイラー「五つの駆り立てるもの」

@強くあれ、Aもっと努力せよ、B完全であれ、C急げ、D他人(親)を喜ばせろ − 特に子ども達のその後の生活の影響を与える。

 

【時間の構造化】

 

                                                1.閉じこもり

                                                                                       心を通わせていない

 


                                           2         2.儀礼

                                                                                       ルーティーン化したもの

                                                                               3.社交(雑談)

                                                                                       お宅の集まり

 


                                           4         4.活動

                                                                                         生産的なものが生まれる

 

                                           5         5.ゲーム 心理ゲーム いじめ

 

 


                                                                                 6.親密さ 心が癒される

 

                            ストロークの密度

 

 4か6をつくる。カウンセリングは4と6のミックスされたもの。