グループワークリーダーのあり方
先ず始めにグループワ−クリーダーという表現をエンカウンターグループにおけるファシリテーターのあり方と読み替えてレポートを提出したい。
先ずエンカウンターグループとは何であるかの理解から始めたいと思います。
林の定義によると、「10人前後の少人数の自発的な参加者と1,2人のファシリテーターと呼ばれるスタッフにより構成されるクローズドの小集団体験を集中的に行なうものである。エンカウンター・グルーブの目的は,個人の心理的成長である。この目的は,グループに促進的な風土ができた時に生じる基本的出会いを通じて達成される。
フッシリテーターは、自己ー致、受容、共感的理解、という態度を自らが積極的に追求し、また、グループの場を信頼し、そのことをメソパーに伝えることによって、グループに促進的な風土を育てる。また、リーダーシップをとる行動は、最小限にとどめる。さらに,ファシリテーターは、診断的理解ではなく実存性を重視し『いま、ここでの』体験に基づいて行動する」となっている。
野島の定義は同様な内容であるがより簡潔に、「目己理解、他者理解、自己と他者との深くて親密な関係の体験を目的として、1〜2名のファシリテーターと10名前後のメンバーが集まり、集中的な時間のなかで,全員でファシリテーションシップを共有して,く今,ここ>でやりたいこと・できることを自発的・創造的にしながら相互作用を行ないつつ、安全・信頼の雰囲気を形成し、お互いに心を開いて卒直に語り合う場である」となっている。
ファシリテーターの果たす役割
ファシリテーターの基本的あり方
立場
・
他者を援助する立場
・
他者から援助される立場
視点
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個人の状態を把握しようとする視点
・
グループ状況を把握しようとする視点
機能
・
サポート
・
活性化
ファシリテーションのねらい
@ グループの安全・信頼の雰囲気形成ーグループの雰囲気はエンカウンター・グループの土台(土俵・容器のようなもの)であり,これを居心地のよいものにすることは非常に大切である。
A 相互作用の活性化ー相互作用か活発に行なわれ,相互のコミュニケーションが正確になされることは,自己理解,他者理解,関係づくりには欠かせないことである。
B ファシリテーションシップの共有化ーファシリテーターがー貫してファシリテーションシップ(個人,相互作用,グループに促進的・援助的に働きかけること)をとり続けるよりは,折々に各メンバーがファシリテーションシップを発揮する方がグループにとっても個人にとってもより有益であると考える。
C 個人の自己理解の援助ーエンカウンター・グループの目的の1つは自己理解であるので,それに向けていろいろ働きかけることが必要である。
D グループからの脱落・心理的損傷の防止ーグループの進展にともない,脱落しそうな人,心理的損傷を受けそうな人が出てくることがあるが,それを防止する必要がある。
実際にやってみた感じ
自分が世話人役をしてみて
パートナーと簡単な打合せをして、グループワークを開始したが、すぐに問題が出され、それに対して、心、気持を汲みとった発言がなされ、よい信頼関係の中で進展していった。私は始め戸惑いながら、ファシリテーターのあり方を想起し、そして今までのワークショップでの世話人役をされた方のあり方を思い起こし、モデルにしようとしたが、それぞれの世話人さんに個性があり、混乱してきたので、その作業は中断し、傾聴し、共感することに努めた。個々の様子と、全体の雰囲気に留意し、相互のやり取りがずれていかないように心を配りながら、聴かして頂き、必要に応じて発言し、流れを進めた行った。
メンバーに恵まれていたこともあり、問題なく進展していき、終了の時間が近づいて来たので、一人だけ発言されていない方がおられたので、自然な形で発言ができるように向け、感じている事を言って頂いて終了した。
人が世話人をするのをみて
やっている方の不手際がよく見えてくる。緊張感と意気込みの両者が混在し、グループの中ですれ違いが生じてくる。世話人の機能を超えて、話をまとめて、自分の価値観から出てくる意見を出してしまうという場面もあった。グループを動かそうとしたり、こうあるべきという押し付けをしてしまいがち。
定例ワークショプの世話人を経験してみて
世話人としての苦労を精神的にも肉体的もじっくりと味わうことができました。ファシリテーターとして援助、個々人の状態と全体の雰囲気の把握、そして発言されたことを否定しないで肯定的に活用し、停滞しそうになった時に適切な介入をしていくこと等、理解はしていても実際場面で、二日間8セッション、椅子に座り、パートナーの世話人と呼吸を合わせ、それぞれ年齢も性格も生育環境も、能力等も違う方たちと、話を聴き、感じたことを、伝えていくことの難しさを実感しましたし、肉体的にも疲労を感じた次第です。
ワークでは出された問題に対して、方法、心構えをすぐに提起し、ご自分の体験で裏づけしていくメンバーのあり方に直面し、これでは悩みを持った信者さんが、二度と法座で自分の問題を出さなくなるのは当然だろうと実感しました。
最初の2セッションは様子を見るという事で、ほとんど介入はせず、第3セッションから、気持、心、感情を聴き、感じた事を伝えることを、折にふれて、介入していった。解答を出す前に、じっくり聴き、どのような思いでその問題を出されているかを感じとることの大切さ、その上で感じたことを適切な言葉で伝えていくことをここでは訓練していることを、説明も織り交ぜて伝えていった。