行動療法

 

・イントロダクション

・学習理論 実験心理学 

 レスポンデント条件付け、古典的条件付け、パブロフ型条件付け

 オペラント条件付け スキナー、ソーンダイク

 観察学習・代理学習 アルバート・バンデューラー

 

 人間の行動と環境についての理論

・行動療法の展開

・行動的セルフコントロール

 

I. 行動療法を学ぶ

*行動療法とは

 来談者中心の療法とは対照的なもの

 成功を納めている領域 精神障害のある特殊教育、特別支援教育

 教える、アドバイスをする、組織的に能力を育てる

 条件的にほめる、あるいは無視する

 

ビデオ鑑賞 応用行動分析(ABA)の流れ 

自閉症の子供の治療にもっとも有効

自閉症 対人関係がうまくできない

     言葉が発達しない 物まね的 脳の神経系に何らかの損傷

     興味や関心が限られている、ごっこ遊びができない

 

    2~3歳から毎日集中的に治療を行う 脳は不具合でも発達の可能性を持っている 2年間治療を受けると半分くらいは発達する

 

 批判 子供をロボットにする治療  実際に治療の場面を見たことない人の批判 

    回復の成果 47% 1999 公認されている

 

    コストが高い

    セラピストの質 治療能力の個人差

 日本 

   ABAの知識が広がっていない

   財政的援助を保障する法律の整備が遅れている

 

*行動療法とは

 資料P2

 

*行動療法の一般的特徴

 目標 苦難の軽減 機能の増進

 効果を評価する きちっとモニターする

 独立変数 環境変数の操作 

人間はなぜ行動するのか

カウンセリング 自己実現の力、パーソナリティー

行動療法では  その人が生きている現在の環境に主な決定因子がある

        個体差 生育歴も考慮するが。

事例 大学の教授の科研費の不正使用 美智子妃の主治医 東大の副学長

  なぜそうしたのか

   嘘をつきたいからかー個人の内部に原因を求める

   嘘をついたほうがいいという環境が作られたいるから嘘をついている 嘘をついても罰せられない、得をするという環境がそのようにさせている

 

  どちらなのか 

環境というものが人をそのようにさせていると説明する

      そういう環境に置かれると人はそういう行動をしてしまう

      環境を変えればよい

      どのように変えるのか

 

Clの学習をサポートすることが行動療法

セルフコントロール 自分で最も望ましい行動を選び、遠い目標に向かって

          毎日無駄なくコントロールすることができるようになること

           目先の利益よりも遠い先の目標を大事にする行動がとれるようになること

 

目標 意図的に設定する 

 

*行動療法の土台としての学習とは何か

 1.学習とは 経験したのでもっとその事をするようになる、或いはしなくなる。

   いい目にあったり、痛い目にあったりして行動が変化する事が学習

   経験によって行動に仕方が変わる 増える 減る 

2.長期にわたるもの 習慣化する 

3.測定できるもの

 4.一時的なものは学習ではない

  *生物と環境の相互作用 物理的なできごと 音を聞く 気圧の変化 見るという事は光の波の変化に出会う事等

  ActionReaction

  *生物がなすこと 行動 その単位 反応

   観察できる行動(Overt

   本人だけにわかる行動(Covert)頭が痛い、お腹がすいた

*オヴァートな行動

*カヴァートな行動例 恐怖 思考

    恐怖 測定できる 修正することができる

    思考 

  *環境が為すこと

   行動に影響する出来事のすべて

   刺激(stimulus)

      生き物として、環境・刺激とやりとりしながら学習している

   経験とは、為すことと、環境が刺激という形で働きかけてくる相互作用

 *行動療法の幅広い範囲

   教育

   医学と保険

   ビジネスと産業

   スポーツと競技

   日常生活

   いろんな場面に拡がっていく、あらゆる人間の問題について説明ができるようになり、介入することができるようになる

   

  *エビデンスを重視する行動療法

    良い証拠と怪しい証拠がある

    怪しい証拠 逸話証拠

  *逸話証拠

   自分の経験をもとに一般化する 私がこうだったんだからこうなのよ

  もう少し質の良い証拠 事例研究による証拠

 *事例研究

  数の問題 過度の一般化をし易くなる

 

 証拠の価値が高いのは 記述研究

 *記述研究

  因果関係が証明することができない

 *実験研究

  因果関係を説明できる 

*群間比較デザイン

タバコを吸う群とタバコを吸わない群

  エビデンス・ベース 行動療法の特徴

 

心理学実践における倫理

科学と似非科学 自閉症の場合 P19

 

広汎性発達障害の幼児に対する3年間の早期集中的介入

 IQ 39ポイント増加 

ビデオ鑑賞

 言語発達

 

1999年から治療開始   Cf Internet 中野ラボ

 

行動療法2 行動療法の基礎―学習理論

*3つの学習理論

1.        レスポンデント条件づけ

2.        オペラント条件づけ

3.        社会的学習理論

 

*レスポンデント条件づけ

*レスポンデント条件づけの創始者

*パヴロフの関心

*腺には「知能」があるのでは

*「精神反射」は動物の思考・記憶・願望による

*精神反射のナゾ

反復して餌を与えられること 「経験」 よだれの出方が変わってしまう

*パブロフの迷い

*条件反射

*無条件反射 老齢とともに弱ってくる

*条件反射

*何に応用されるのか

*恐怖 怖いという体験と偶々そこにあった刺激とが結びついてしまった

   その刺激があると、怖いはずがないのに怖くなってしまう。

   学習してしまっている怖さを取ることも可能である。

*アルバート

*反対条件づけ

好物の食べ物を食べながら

 籠に入ったウサギを近づける → さわる → だっこする

 ウサギと遊ぶ子どもたちを観察

 閉所恐怖症

  電話ボックス 好きなもの(恋人、アイスクリーム)と一緒に入る

*系統的脱感作による恐怖症治療

  学習された恐怖心にさらす 怖い思いをしないセーフガードを用意する

  シェリントン 不安、恐怖という情緒 嬉しいとか楽しいという情緒

         相互に制止し合う

         楽しいということが大きくなると、不安は小さくなる

                                    不安・恐怖をなくすためには、楽しみ・嬉しいという経験をうーんと膨らませるておいて、少しだけ恐怖を経験させる。

 

ウオルピ 逆制止療法  

愉快、楽しい、嬉しいとはリラックスしている状態

  リラックスする方法を教える

  筋肉を緩めるイクササイズをすればよい

*筋弛緩法訓練

これと並行して

*不安階層表

リラックスした状態でこの階層の低い段階から実行させる

*交通事故による恐怖症の治療

認知行動療法とも言うことができる イメージを使う

*バーチャル・リアリティによる恐怖症治療

プラス刺激(リラックス、おいしい食べ物)を与え、橋に上を歩く

*アルコール依存症

嫌悪性反対条件づけ 好きなものを嫌いにさせる条件づけ

 

→ P7

*オペラント条件づけ

好き嫌いではない条件づけ

ソーンダイク 創始者

スキナー   体系化

*ソーンダイクの関心

*試行成功学習

パブロフ   二つの刺激

ソーンダイク 行動とその結果

*スキナーの関心

*スキナーボックス

ビデオ鑑賞

 ネズミ 経験によって行動が変わる 行動を変えたものは結果

 if ~ then・・・

生きている社会がスキナーボックスであったなら・・・

 ある行動 プラスの結果 行動が強化される

                         快、楽

*シェーピングの実験例 P10

*気づかざるシェーピング

coercive behavior 強制的行動 いじめの加害者側の行動

 

*教育方法としてのシェーピング

パラサイトシングルがどんどん増えた

自立させない

 

→ P12

*カウンセリングの強化実験

  〜したら強化する。家族の話をしたら、ああそうですかーと言う

 

*観察学習(代理学習)

 生き物は他の生き物の経験を見るだけで学習するか

 モデルの条件づけを見るだけで学習が起こるか パブロフ型代理条件づけ

 ある行動をしていい目に会うのを見ると学習するか オペラント型

*パブロフ型代理条件づけの実験

*オペラント代理学習の原理

*オペラント代理学習の実験

 自分の評価している行動がそれだけにとどまらず、周囲にも影響を与える。

  見れば見る程伝わる。観察する関数。

*代理回避学習の実験

 猫でもやる。サルが水で芋を洗って食べる。

*代理学習と模倣は同じか

真似るということはすごい財産。ご先祖さんから頂いて生まれてくる。

*般性模倣(generalized imitation)

 真似る一般的傾向ができるということが重用

 目利き 徒弟制度 親方のやり方を真似る こつを掴んでいく

 教育 真似る 観察学習

*代理学習に影響する変数

*モデルの行動に伴う結果 質問する 結果 いい質問だねという 模倣

                    今質問に時間じゃない 回避

             いい結果が出ていると模倣される

*観察者の行動に伴う結果 見ているほうが模倣すると褒める 

模倣が促進される

*モデルの特徴

*観察者の認知過程

注目すること、記憶しておく、モデルの通りにやりたいなという意欲、

*観察者の年齢

 若さ 真似る意欲

*観察者の学習史

*代理学習の応用

*恐怖症の治療

*攻撃の学習

*犯罪とテレビ

  *メディアによる報道とモデリング効果

 *メディアの報道バランスを改める

 

三つの学習原理

 レスポンデント条件づけ オペラント条件づけ 観察学習

これらを総合的に活用しながら、Clの問題に応じてプログラムを作り、よい行動を伸ばし、悪い行動を起きにくくするように援助することが行動療法。

ビデオ鑑賞

 グループでやったほうが模倣を上手く活用できるし、強化できる。

 学習はできても、仲間のなかに上手く溶け込めないー社会性の欠如

 小集団社会技能訓練 social skill training

  幼稚園年長、小学生12年 社会場面で協力、競争、助けたりすることを学ぶ。こうした学習ができない子供、特に知能が高い子供のほうが集団適応がしにくい。

 

キャプラン 1960年代

3次予防 明らかに障害が生じている、それ以上に悪化しないようにする

2次予防 障害に向かう可能性がある social skill training

1次予防 何の問題が起こっていない、人間能力の積極的開発

 

ビデオ

 小5 対人関係を育てる ピュアサポートプログラム

 家庭の変質 支え合う、助け合う力が育っていない。

 聴き方の訓練 質問、あいずち 相手の気持になって聴いていく

 

 個人的社会的能力

 聴き上手

 サイコロジカルエジュケーション いじめというような問題を予め阻止する

 治療型ではなく、予防型。

 中学校では遅すぎる

 

 実施したクラス 実施しないクラス

 差異 自己概念、学級風土がよい

 

教える教育内容(カリキュラム)をもったカウンセリングが必要

 

セルフコントロール

自分 統御、制御、管理

*セルフコントロールとは

   短期的快楽 vs 長期的苦痛 今ここで前者を選ぶと結果として後者に陥る

 目標の達成に向けてここでは短期的快楽を制御し、苦痛の忍耐、快楽の抑制

 

 

*セルフコントロールへの期待

選択

*セルフコントロールの成分

自己監視 自己観察 記録をつける 変化をもたらす

目標設定 目標 環境を整える

環境設定

  ・

  ・

*刺激性制御

環境刺激にいかにコントロールされているか

*刺激性制御に起因する行動問題

 1.

 2.できる環境設定

 3.いかに刺激に制御されているか

*刺激性制御によるセルフコントロール

*肥満治療

*不眠治療

*勉強集中力の育成

*悲観症(ペシミズム)を治す

*喫煙などを減らす

 いかに環境に弱いか だから意志力を強くするとかということは全く効果がない

行動療法はその原理にまでさかのぼるとカウンセリングに活用できる

 

<感想>

 仏教に縁起観という教えがある。縁によって生起する。縁すなわち条件によってものごとは生起しているということである。条件とは、行動療法で使われている環境と同義であると思われる。言い換えれば、環境のあり方によって結果が変化するということである。

Cl中心のカウンセリングと対置するような形で行動療法の説明が始められたが、確かに非指示、指示という観点ではそうであるかもしれないが、Clを援助し、自立を促していくという点では、どちらの方法も、いかに、そのClに応じた環境になっていくかということがいえるのではないかと思う。Clにとって、Coも環境の一要素である。その応じ方(response)が異なっていると言える。

結論的には、Clに応じて適切な方法を選択する。一つの方法に固執しなくてもよいような気がする。